27くらいの時に派遣社員をやりました。独身で一人暮らし、ボーナスなしでした。結局、生活がカツカツすぎて8ヶ月くらいで辞めましたが、自分の価値観が広がりました。
動機
2社目の時点で嫌気がさしていた私は、やっぱり大学の専門分野で働きたいと思っていました。結局プライドにしがみついていただけど後に気が付きましたが。
しかし、私の大学のときの分野の仕事は、中途では皆無でした。しかし、理系の派遣社員というものを知り、そこから頑張れば専門職にいけるのではと思いつき登録しました。
隔り
私は超大手の研究所で働くこととなりました。しかし、当たり前ですが、派遣社員と正社員では業務内容がしっかりと隔られていました。同じ人間なのに、迂闊に正社員の方々と話てはいけない雰囲気がありました。私は一日中プラスチックをハサミで切っていました。
平和
派遣社員は平和でした。与えられた簡単な仕事を超スローペースでやっていれば一日が終わりました。そして周りの派遣の人は欲とか見栄がないのか、話していて嫌味がない人が多くいました。(一部クセの強い人もいました。)
なので、職場にいる時はとてつもなく平和な時間だけが過ぎていきました。
苦
そんな平和な日々でしたが、冒頭で言ったように、生活はカツカツでした。少しでも贅沢をすればお金は一瞬で底をつくのが明らかでした。カードの分割払いで難を凌いだ時もありました。
当時27才、まだ死ぬには早いのに、いつまでこの生活をするのかと想像すると、帰宅してからの自分がとても辛く苦しくなりました。周りは車を買ったり、結婚したり、外食を楽しんだりと、浮かれ話を聞くのも苦しかったです。
諦め
結局、当時の結論はボーナスは絶対に必要だという考えに至りました。そして、実家に行き3度目の退職宣言とともに、何度もお金を借りて転職活動をしていました。
もう一つ気づいたのは、この時点で大学の経歴がどうでもよくなりました。自分の描いていた将来像が幻想であったと気づきました。
さまざまな生き方
今、当時を振り返って思うのは、世の中には本当にさまざまな生き方があることでした。ネット上では、承認欲求を煽る輝かしい生き方ばかりが目に入ってくると思います。しかし、派遣社員の人はSNSすらやっているのかわからないような人が多い気がします。独特の自分の世界を楽しんで、それ以外はガツガツしていない感じでした。ほとんど貯金など出来ないような給与で長く働いている人でも、正社員の人よりも遥かに心に余裕があるように見えました。
そういう余裕は見習いたいと思いましたし、最終的に自分がなりたい姿はそのくらいの心の余裕を持てる事だと思います。
でも今はお金はとても重要なので、稼ぎながらその方法も模索しています。